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DNSレコードの種類と役割。A・AAAA・CNAME・MX・TXTをわかりやすく解説

DNSレコードの種類と役割。A・AAAA・CNAME・MX・TXTをわかりやすく解説

DNSレコードとは、ドメイン名に紐付くIPアドレスや別名、メールの配送先、確認用テキストなどの情報を、用途ごとの「種類」に分けて管理するデータです。Webサイトへの接続では主に A・AAAA・CNAME、メールの受信先には MX、ドメインの所有確認やメール認証には TXT が使われます。

例えば www.example.com をWebサーバーへつなぐ場合と、user@example.com 宛てのメールを受信する場合では、参照するDNSレコードの種類が異なります。「ドメインを取得しているのにホームページが表示されない」「メールだけ届かない」といった場面でも、何のレコードを確認するかによって調査する場所が変わります。

本記事はDNSレコードの種類と役割を一覧で理解したい方に向け、A・AAAA・CNAME・MX・TXTの5種類を中心に、記載例、用途の違い、設定画面の基本的な項目、混同しやすいポイントを比較します。レコードの追加・削除・変更手順や障害時の詳しい復旧操作は扱いません。DNSそのものの名前解決が分からない場合は、先にDNSとは?ドメインからWebサイトが表示されるまでの仕組みをご覧ください。

DNSレコードの種類と役割を一覧で比較

まず、頻繁に目にする5種類のDNSレコードを比較します。どの情報を保存するかを理解すると、管理画面で表示された値の目的を判断しやすくなります。表のドメイン名・IPアドレスはすべて説明用の例です。

AはIPv4、AAAAはIPv6、CNAMEは別名、MXはメール受信、TXTは文字列・認証という主要5種類の役割を一覧で比較した図解
図解1 DNSレコード5種類の用途と記載値の例

A・AAAA・CNAME・MX・TXTの比較表

「Webサイトの接続先」「メールの受信先」「テキストによる確認」という三つの用途を意識すると区別しやすくなります。CNAMEはIPアドレスではなく、別の名前を参照する点が特徴です。

種類 保存する情報 主な用途 値の例
A IPv4アドレス Webサイトなどの接続先を指定 192.0.2.10
AAAA IPv6アドレス IPv6での接続先を指定 2001:db8::10
CNAME 別名が参照する正式名 サブドメインを別の名前へ関連付ける site.example.net.
MX メール受信先ホスト名と優先度 ドメイン宛てのメール配送先を示す 10 mail.example.com.
TXT 文字列 ドメイン確認、SPF・DKIM・DMARCなど "site-verification=sample"

ここでの 192.0.2.10 と 2001:db8::10 は文書や解説向けの予約アドレスです。表にある値をそのまま実在サイトのDNSへ登録しても、公開サーバーへ接続できるという意味ではありません。CNAME・MXの宛先も説明用です。

5種類を大きく3つの目的に分ける

接続先のIPを直接示すのはAとAAAA、名前から別の名前を参照するのがCNAMEです。一方でMXは主にメールの受信に使い、TXTは文字列の公開によってドメイン所有確認やメール認証などの用途に使われます。

同じドメインのDNS管理画面にこれらが並んでいても、すべてがWebサイトの表示に必要という意味ではありません。必要な種類は、そのドメインで利用するサービスの構成によって異なります。

レコードはDNSの情報でありWebページのファイルではない

DNSレコードは、Webサーバーへ通信するための情報などを提供します。画像やHTMLを保存して表示するのは通常WebサーバーやCDNの役割です。DNSレコードの値を設定しただけで、Webページの中身やメールボックスが作成されるわけではありません。

例えばAレコードが正しくてもサーバーが停止していればサイトは表示されません。MXレコードが存在しても、受信メールサーバーが正常に動いていなければメールを受け取れない場合があります。DNSの役割と各サービスの役割を区別しましょう。

Aレコードとは?IPv4アドレスを指定するDNSレコード

Aレコードは、ドメイン名やホスト名に対応するIPv4アドレスを示します。Webサイトを公開するときに登場する基本的なDNSレコードの一つです。

Aレコードの値はIPv4アドレス

IPv4アドレスは 192.0.2.10 のように4つの数値をドットで区切った形式です。例えば説明用の www.example.com という名前に、Aレコードで 192.0.2.10 を対応付けるイメージです。

DNSでAレコードが取得できれば、接続を試みる端末がIPv4の宛先を知るために使えます。ただし実際の通信でその宛先が利用されるかはネットワークやクライアントの状態にもよります。

一つの名前に複数のAレコードがある場合

同じ名前に複数のAレコードを登録して複数のアドレスを返す構成もあります。例えば複数サーバーやネットワーク設備を使う構成で利用されますが、Aレコードを2つ書けば自動的に故障したサーバーを適切に除外してくれるわけではありません。

複数アドレスを運用するときは、サーバーや負荷分散の方式まで含めて設計する必要があります。本記事ではAレコードの役割にとどめ、具体的な構成手順とは切り分けます。

Aレコードが正しくてもHTTPSが正常とは限らない

IPアドレスを正しく返せても、ブラウザが安全にHTTPS接続できるかは別の問題です。接続先のサーバー設定やSSL/TLS証明書が適切でなければ、警告や通信エラーが生じます。

HTTPSの仕組みはSSL証明書とは?HTTPS・TLSの仕組みで解説しています。Aレコードは、TLS証明書を発行するためのデータではありません。

AAAAレコードとは?IPv6アドレスを指定するDNSレコード

AAAAレコードは、ドメイン名やホスト名に対応するIPv6アドレスを示すレコードです。AレコードがIPv4を扱うのに対し、AAAAはIPv6を扱います。RFC 3596で定義されたレコード形式です。

AAAAは「クアッドA」と呼ばれる

AAAA は英字Aを4つ並べた名前で、クアッドAレコードとも呼ばれます。値には 2001:db8::10 のようなIPv6アドレスを設定します。IPv6はIPv4より長いアドレス形式で、コロンを用いた表記が一般的です。

説明用に用いる 2001:db8::/32 は文書用のIPv6アドレス空間です。本番のDNSには、利用するネットワークやホスティング事業者から正式に案内された接続先を指定する必要があります。

AとAAAAは同じ名前に併存できる

例えば www.example.com にAレコードとAAAAレコードがそれぞれ存在する構成があります。IPv4とIPv6の両方で接続できるサービスに使われ、クライアント側が利用可能な経路を判断します。

IPv4が正常でIPv6だけ別のサーバーへ向いている場合、利用者の通信環境によって接続結果が異なることがあります。Aレコードの値を確認しただけでは、AAAAの接続先まで確認したことにはなりません。

AAAAが必要かは実際のIPv6対応で決まる

すべてのWebサイトにAAAAレコードが必須というわけではありません。実際の接続先がIPv6でサービスを提供できるかに応じて判断します。IPv6が利用できない環境へ誤ったAAAAを設定すると、一部の利用者が接続に失敗する原因になる可能性があります。

IPv6対応を宣言しているサービスであれば、DNSだけでなくWebサーバーやネットワーク側の到達性も確かめる必要があります。具体的な変更手順は別記事で扱います。

CNAMEレコードとは?別のホスト名を参照する仕組み

CNAMEは、ある名前を別の正式な名前へ関連付けるためのレコードです。A・AAAAのようにIPアドレスを直接登録しないため、外部サービスで発行された接続先のホスト名を利用するときなどに登場します。

AとAAAAがIPアドレスを返し、CNAMEは別のDNS名を指す違いを比較した図解
図解2 A・AAAAとCNAMEでは、返す情報の種類が違います

CNAMEの値はIPアドレスではなく名前

例えば shop.example.com を stores.example.net という名前へ対応付ける場合、CNAMEの値に宛先の名前を記録します。名前解決ではその名前に対応するアドレス情報などをさらに調べます。

これはWebブラウザが別のURLへ移動するHTTPリダイレクトとは違います。CNAMEはDNS上の別名関係を表すもので、ブラウザのアドレスバーに表示されるURLを自動的に変更する指示ではありません。

CNAMEとA・AAAAは同じ名前で原則併用できない

RFC 2181では、CNAMEを持つ名前には原則としてほかのデータを置けないと定めています。例えば shop.example.com にCNAMEを設定し、同じ shop.example.com にAやMXなどの一般的なレコードを併記することはできません。

一方、shop.example.com にCNAMEがあり、別の mail.example.com にAレコードがあることは矛盾しません。「同じドメイン全体でAとCNAMEを一緒に使えない」という意味ではなく、同じ名前での併存が問題です。

ルートドメインでのCNAMEには制約がある

DNSゾーンの頂点(例:example.com)には、NSやSOAといったレコードが必要です。通常のCNAMEは同名のほかのレコードと併存できないため、ゾーンの頂点へ通常のCNAMEを置くことには制約があります。

DNS事業者によっては、ALIAS、ANAME、CNAME flatteningなど、見た目は別名指定に近い機能を提供しています。ただし、これらは通常のCNAMEレコードそのものとは扱いが異なります。利用事業者の仕様を確認してください。

CNAMEは転送設定や証明書の代わりではない

CNAMEで別の名前を参照できても、HTTPの転送やHTTPS証明書の整合性が自動的に完成するわけではありません。接続先のWebサービスが元のホスト名を受け入れ、必要なTLS証明書が用意されているかは別途確認が必要です。

外部のWebサービスへサブドメインを関連付ける場合は、そのサービスが正式に指定する宛先名を用います。例として掲載したドメインを実際の設定値として流用しないでください。

MXレコードとは?メールを受信するサーバーを示す

MX(Mail Exchanger)レコードは、ドメイン宛てに届くメールの配送先サーバーを示します。Webサイトの表示先を決めるAやAAAAとは目的が異なり、メール受信の仕組みに関係するレコードです。

MXの優先度10のメールホストが優先度20より優先して選ばれる構成を示す図解
図解3 MXレコードの優先度は数値が小さい方が高くなります

MXでは配送先の名前と優先度を指定する

例えば example.com 宛てのメール受信先として mail.example.com を示す場合、MXレコードにはそのホスト名と数値の優先度を記録します。10 mail.example.com. のような表記の「10」は、配送先を選ぶ際の優先度です。

受信側が複数のMXレコードを公開している場合、一般に優先度の数字が小さい配送先が優先されます。数値が大きいほど優先されるという説明は誤りです。同じ数値なら、メール送信側が複数候補を選択する場合があります。

MXの値にIPアドレスを直接書くわけではない

MXレコードが指定するのは、メール受信先のホスト名です。mail.example.com のような配送先の名前に、AまたはAAAAなどの適切なアドレス情報が必要です。RFC 5321では、MXの宛先名がアドレスレコードで解決できることが求められています。

また、RFC 2181ではMXレコードが指すホスト名をCNAMEの別名にしないことが定められています。MXの宛先としてCNAMEを指定する設定は避け、メールサービス提供者の正式な指定先を確認します。

MXは送信ドメイン認証をすべて決めるものではない

MXが主に扱うのは受信の経路です。メールの送信元が正規の送信者かを示すSPF、電子署名で確認するDKIM、認証結果に基づく方針を示すDMARCとは役割が異なります。

メールシステムを導入すると、同じドメインでMXとTXTの設定が必要になる場合がありますが、メールを受信するための情報と、送信メールの認証情報は別として考えましょう。

MXを変更すると既存メールの受信に影響する場合がある

MXの宛先を変更すると、インターネットからそのドメインへ配送される新しいメールの経路に影響します。旧メールシステムとの移行やDNSキャッシュなども関係するため、管理画面で値を変更するだけの作業ではありません。

本記事はレコードの意味を理解するための内容です。実際にメールの提供事業者を切り替える際は、移行元・移行先の正式手順に従ってください。

TXTレコードとは?テキストで確認・認証情報を公開する

TXTレコードは、ドメイン名に関連する文字列をDNSで公開するためのレコードです。用途は幅広く、Webサービスのドメイン所有確認やメール送信ドメイン認証などで利用されます。

TXTの用途としてドメイン所有確認、SPF・DKIM、DMARCを並べた図解
図解4 TXTレコードは用途によって名前と値が異なります

TXTレコードはさまざまな用途に使われる

例えば外部サービスが「このドメインを管理している人か」を確認するとき、指定したTXTレコードの追加を求める場合があります。指定の名前と値をDNSで公開できることを使い、ドメインに対する管理権限を確認する方式です。

また、SPF・DKIM・DMARCなど、メール認証に関わる情報をTXTで公開する方式もあります。TXTの形式は用途ごとに違うため、文字列が入っているからといってすべて同じ意味になるわけではありません。

SPFは送信元の許可範囲に関する情報

SPFは、あるドメインのメール送信に使われるサーバーの許可範囲を公開する仕組みです。RFC 7208では、SPFの情報をTXTレコードとして公開すると定めています。v=spf1 で始まる文字列が代表的な形式です。

ただし、SPFは使用する送信サービスの構成と整合している必要があります。v=spf1 -all は送信を認めないという方針を表すため、実際にメールを送るドメインへ無条件に設定してはいけません。ここではレコードの役割を知ることに留め、具体的な送信サービスごとの値は案内しません。

DKIMとDMARCもTXTを利用する

DKIMでは、メールに付与された署名を確認するための公開鍵などをDNSで公開します。DMARCでは、SPFやDKIMの認証結果と送信者ドメインの整合性を使った方針をTXTに公開します。DMARCは一般に _dmarc.example.com のような専用の名前が用いられます。

同じ「TXT」と表示されていても、SPF用、DKIM用、DMARC用、ドメイン所有確認用など、レコード名や内容が異なります。TXTレコードを一つだけ登録すればメールの設定がすべて完成するわけではありません。

認証用のTXTの値はサービスごとに異なる

例えば site-verification=sample のような文字列は、説明上の架空の確認トークンです。実際のサービスが指定する値やホスト名は異なり、誤った場所へ登録しても所有確認は成功しません。

ドメイン所有確認用の文字列は、対象のサービスの管理画面が指定する名前と値を使用する必要があります。TXTの記入例を他のサービスへ使い回さないようにしてください。

DNS管理画面にある「名前・種類・値・TTL」の読み方

レコードの役割を理解したら、DNS管理画面に表示される共通項目を確認します。多くの事業者では「ホスト名」「タイプ」「内容」「TTL」などの欄がありますが、画面上の名称や入力形式は事業者によって違います。

DNS管理画面の名前・種類・値・TTLの項目とCNAMEやMXの注意点を示す図解
図解5 DNSレコードの名前・種類・値・TTLを分けて確認します

名前はレコードを付けるドメイン内の場所

「名前」や「ホスト名」は、どのDNS名にその情報を関連付けるかを示します。例えば www と入力することで www.example.com を表す管理画面があります。@ をゾーンの頂点である example.com の意味で使う画面もあります。

ただし @ はすべてのDNS管理画面で同じ入力方法だという意味ではありません。example.com 全体を指定する必要がある場合もあります。公開前の入力形式は契約中のDNSサービスで確認してください。

種類によって「値」に入れる情報が変わる

AではIPv4アドレス、AAAAではIPv6アドレス、CNAMEでは別名の宛先、MXではメールサーバーの名前、TXTでは文字列を指定します。MXでは、これに加えて優先度を独立した入力欄にする管理画面もあります。

形式の違いを理解していれば、例えばMXの値として数字だけのIPアドレスが入力されている場合や、CNAMEの値として説明用のWebページURL全体が入力されている場合に、設定を見直す必要があると判断しやすくなります。

TTLはDNSのキャッシュを保持する時間

TTL(Time To Live)は、DNSの回答をキャッシュとして再利用できる時間を示す値です。一般的には秒単位で表されます。例えば 3600 秒は1時間です。

TTLはWebサイトやメールの「通信時間」そのものではなく、DNSリゾルバーなどが回答を保存する期間に関係します。TTLを短くしたからといってWebサーバーの処理が速くなるという意味ではありません。また、DNS変更後の切り替わり時刻を完全に保証する値でもありません。

MXだけは優先度という追加項目が重要

多くのDNS管理画面では、MXの値にメールサーバー名とは別に「優先度」を入力します。例えば 10 と 20 の宛先があれば、通常は10が優先的に試されます。

ただし、メール事業者が案内する値をそのまま使うことが基本です。別のメールサービスの設定を参考にして数字を置き換えると、意図しない配送経路になる可能性があります。

DNSレコードの設定例を比較表で読む

ここでは説明用のドメイン example.com を使い、5種類のレコードがどのような形で並ぶかを示します。実在するサーバーやメールサービスの設定を示すものではありません。この表をそのまま本番のDNSへ登録しないでください。

5種類のレコードを同じドメインで比較する

A・AAAA・CNAME・MX・TXTは、それぞれ対象の名前と値の種類が違います。次の例では、www にWebサイトのアドレス、shop に別名、ドメインの頂点にメール受信先と確認用のテキストを置きます。

名前 種類 値(架空例) 読み方・用途
www A 192.0.2.10 wwwのIPv4接続先
www AAAA 2001:db8::10 同じwwwのIPv6接続先
shop CNAME stores.example.net. shopは別の名前を参照
@ MX 10 mail.example.com. example.com宛てメールの受信先
mail A 192.0.2.20 上記MXが指すメールホストのIPv4
@ TXT "site-verification=sample" 所有確認を想定した例示文字列

この例では www にAとAAAAが共存しています。一方で shop はCNAMEなので、同名の shop にAやMXなどのデータを併置していません。mail に独立したAレコードがあり、MXが指す先のアドレスを解決する構成になっています。

ゾーンファイル形式で見る場合の例

技術担当者がDNSのゾーンファイルを読む場合、名前、TTL、クラス、種類、値の順に表現されることがあります。次は前の表を概念的に書き直した解説用のサンプルで、実際のネームサーバー設定ファイルではありません。

www.example.com.   3600 IN A     192.0.2.10
www.example.com.   3600 IN AAAA  2001:db8::10
shop.example.com.  3600 IN CNAME stores.example.net.
example.com.       3600 IN MX    10 mail.example.com.
mail.example.com.  3600 IN A     192.0.2.20
example.com.       3600 IN TXT   "site-verification=sample"

IN はインターネット用のDNSクラスを示します。末尾のドットが付いたドメイン名は完全修飾ドメイン名の表記です。3600 はここではTTLを秒で表した架空の値です。各社のDNS管理画面で、この順序のまま入力するとは限りません。

この例だけでWebサイトやメールは動作しない

A・AAAAの宛先には実際にWebサービスが必要です。CNAMEの参照先も有効な情報を提供している必要があります。MXの配送先ではメールサーバーが動作していなければなりません。TXTの確認用文字列は、対象サービスが指定したものと一致していなければ所有確認に利用できません。

また、上記のIPアドレスは説明用に予約されたものです。設定値を理解するための例と、実際の提供事業者が指示する本番の値を明確に区別しましょう。

Web・メール・外部サービスで必要なレコードは違う

DNSレコードの種類を目的から考えると、サービスを導入するときにどの設定情報を確認すべきか理解しやすくなります。代表的な3つのケースを紹介します。

ケース1:会社サイトを公開したい

Webサイトへアクセスするためには、ホスト名から接続先を取得できる必要があります。AやAAAAでIPアドレスを示す場合も、CNAMEで事業者が指定する名前へ関連付ける場合もあります。

例えば独自ドメイン対応のホスティングサービスでは、AレコードかCNAMEレコードのどちらか、または複数の設定が案内されることがあります。「Webサイトを作るなら必ずAレコードだけ」という判断は適切ではありません。利用するサービスの正式なドメイン接続方法に従います。

ケース2:独自ドメインのメールを使いたい

info@example.com などのメールを受信するには、外部からの配送先を示すMXなどの設定が関わります。メール送信時の認証にはSPF・DKIM・DMARCなどのTXT情報が必要になる場合があります。

メールサービス事業者によって必要な宛先・優先度・認証用の値が異なるため、Webサイト用のAレコードとは区別して確認します。「Webサイトが正常だからメールも正常」とは限りません。

ケース3:外部の管理サービスでドメイン所有確認をしたい

検索サービス、クラウドサービス、証明書発行などで、ドメインの管理権限を確認するためのTXTレコードを指定される場合があります。管理画面から案内された名前と値をDNSへ公開し、サービス側がそれを確認する仕組みです。

TXTはIPアドレスを示すものではないため、ドメイン所有確認用のTXTだけを設定してもWebサイトの接続先は決まりません。所有確認が必要なサービスの仕様を確認することが重要です。

ケース4:サブドメインを外部サービスへ接続したい

blog.example.com や help.example.com を外部の配信サービスで利用する場合、CNAMEを指定するよう案内されることがあります。CNAMEはサービス側が接続先の名前を管理しやすい点で役立ちます。

ただしCNAMEはHTTPの転送機能ではなく、同名のほかのレコードとの競合やTLS設定の問題が残ることがあります。正式な接続手順と証明書の適用条件を確認する必要があります。

DNSレコードを混同すると起きやすい問題

DNSの設定に関する問題は、レコードの形式そのものの誤りだけでなく、目的に合わない種類を選んだり、どの名前に設定するかを取り違えたりすることで発生します。変更前に把握しておきたい点を整理します。

AとAAAAを同じアドレス形式だと考える

AはIPv4、AAAAはIPv6用です。IPv4アドレスをAAAAへ登録したり、IPv6アドレスをAへ登録したりすることはできません。またAとAAAAを併用する場合は、実際にそれぞれのネットワーク経路が利用できることが前提です。

DNSが正しい形式のデータを返しても、その接続先にサーバーが存在するかまでは保証されません。運用では名前解決と接続結果を分けて確認します。

CNAMEとHTTPリダイレクトを同じものだと考える

CNAMEはDNSの名前の別名です。HTTP 301や302はWebサーバーなどがブラウザへ転送先URLを通知する仕組みです。転送先のURLやブラウザの表示を変えることが目的なら、DNS以外の設定が必要な場合があります。

この違いを理解しておけば、サブドメインにCNAMEを設定したのにブラウザのURLが変わらない、といった状況も仕組みとして整理できます。

MXの優先度は数字が大きいほど高いと考える

MXでよくある誤解の一つが数字の意味です。優先度を示す数値は小さい方が優先されます。利用するメール事業者によって複数の宛先が指定される場合もあるため、正式な優先度を変えずに扱うことが基本です。

また、MXの値としてCNAMEの別名を指す構成はRFC 2181・RFC 5321の要件に合いません。メールの配信先として使うホスト名が、適切なアドレス情報を持つことが重要です。

TXTを一つ登録すればすべての認証が完成すると考える

TXTは文字列を公開するための汎用的なレコードです。SPF・DKIM・DMARCや所有確認の値は互いに異なるため、用途ごとに指定された名前と値を管理する必要があります。

例えばSPFの文字列をドメイン所有確認用として使うことはできません。反対に所有確認の文字列をメール認証へ流用することもできません。

ドメイン管理会社とDNSの設定先を混同する

ドメインの契約先(レジストラ)と、DNSレコードを管理する事業者が異なる構成があります。ドメインを契約している管理画面にレコード設定が見つからない場合でも、必ずしも異常とは限りません。

実際の権威DNSがどのサービスで管理されているかを確認する必要があります。DNSの変更はWebやメールなど複数のサービスへ影響する可能性があるため、管理先を特定してから行います。

A・AAAA・CNAME・MX・TXT以外の主なレコード

DNSには、この記事の中心となる5種類以外にも多くのレコードがあります。ここでは名前を知る程度にとどめ、役割を広く把握するために比較します。

NS・SOAはDNSゾーンの管理に関係する

NSレコードは、権威ネームサーバーや委任に関係する情報です。SOAレコードはDNSゾーンの管理情報を示します。WebサイトのIPアドレスやメールの配送先とは、直接の目的が異なります。

NSやSOAはDNSの階層やゾーン管理の基礎となるため、変更時には委任関係やDNSホスティングの構成を考慮する必要があります。個別の設定方法は本記事の対象外です。

CAA・PTR・SRVなども用途ごとに使われる

CAAは、そのドメインの証明書を発行してよい認証局を示すための情報です。PTRは主にIPアドレスから名前を調べる逆引き、SRVは特定サービスのホストやポートなどを指定するために使われます。

これらもDNSの正式なレコード種類ですが、A・AAAA・CNAME・MX・TXTほど最初に扱う機会がない場合もあります。まず主要な5種類を理解し、利用するサービスが追加で求める場合に目的を確認すると整理しやすくなります。

HTTPSなど比較的新しい用途のレコードもある

HTTPS/SVCBなどのDNSレコードは、サービスに接続するための情報を提供する比較的新しい仕組みです。従来のA・AAAAだけでは表しにくい接続条件を提供する用途があります。

すべてのDNSサービスやブラウザで同じように利用されるとは限りません。この記事は初心者向けの主要5種類の理解を目的としているため、詳細は個別の資料で確認してください。

DNSレコードを確認・管理するときのチェックリスト

役割の違いを理解したうえで、自社のドメインで何を確認すればよいかを一覧にします。ここではDNSレコードの意味を把握するための確認項目に絞り、設定変更の手順は含めません。

  • Webサイトのホスト名にA・AAAA・CNAMEのどれが使われているか確認したか。
  • AにはIPv4、AAAAにはIPv6が登録されているか把握したか。
  • CNAMEがIPアドレスでなく別名を指すことを理解したか。
  • CNAMEとほかのレコードが同じ名前で競合していないか確認したか。
  • メール受信に関係するMXの配送先と優先度を把握したか。
  • MXが指すホストに適切なアドレス情報があるか確認したか。
  • TXTにSPF・DKIM・DMARCや所有確認の値が含まれているか整理したか。
  • DNSレコードの名前・種類・値・TTLを混同していないか。
  • ドメインの契約先と権威DNSを管理するサービスを区別できているか。
  • 必要なレコードを変更する権限と、影響を受けるサービスを把握したか。

変更する前に「どのサービスが使う情報か」を確認

同じドメインでも、会社サイト、メール、外部のSaaS、セキュリティ設定などで使うレコードは異なります。値の意味が分からないという理由だけで削除・変更すると、現在正常なサービスに影響することがあります。

不要に見えるレコードも、外部サービスの認証やメール配送などで使われている可能性があります。管理者と利用事業者を確認してから正式な手順に進みましょう。

管理対象が多いときはサイト・メールの用途別に整理

複数のドメインを管理する場合は、「Web接続用」「メール受信用」「メール認証用」「所有確認用」などの用途で記録を分けると、同じ名前のドメインが関係していても用途を追いやすくなります。

ただしレコード一覧だけでは、実際に利用しているWebサービスやメールサービスが正常に稼働していることまで確認できません。DNSの情報とサービス側の稼働状況を別に管理することも重要です。

エンリンクでドメイン関連情報を管理する場合

レコードの種類を理解した後は、自社の複数サイトでどのドメインを誰が管理しているか整理することが運用につながります。ここではエンリンクの公開機能ページで確認できる範囲だけを説明します。

ドメイン管理会社と契約期限の情報を整理できる

エンリンクの機能一覧では、サイト単位でドメイン管理会社と管理画面URLを登録・整理できる機能、公開登録情報から取得できるドメイン登録期限と取得元を確認する機能が案内されています。

ドメインの契約期限は、DNSレコードのTTLやSSL証明書の有効期限とは別の情報です。管理台帳で混同しないことが大切です。

DNSの診断情報とサーバーの監視は別の役割

エンリンクの公開機能ページにはDNS診断・セキュリティ確認やHTTP・SSL監視の案内があります。ただし、公開情報だけではA・AAAA・CNAME・MX・TXTのすべての値を一括取得・変更できる機能があるとは確認できません。

そのため本記事は各レコードの役割を学ぶための解説とし、エンリンクがDNSの設定変更やメール配送の復旧を代行するという案内はしていません。各サービスの機能範囲は公開ページで確認してください。

最大5サイトまでの無料プランから始められる

2026年10月26日に確認した料金プランでは、無料プランは最大5サイトの登録に対応し、定期監視は1日2回と案内されています。サイトの管理先情報や監視結果を整理したい場合は、無料アカウント登録から利用できます。

無料プランの条件はDNSレコードの変更回数や設定件数を示すものではありません。DNSの役割理解と実際の運用サービスの機能を分けてお考えください。

DNSレコードの種類についてよくある質問

DNS管理画面を初めて見た方が迷いやすい点をまとめます。名前や値の意味が分からない場合は、種類を確認して用途から考えると整理しやすくなります。

Q.AレコードとAAAAレコードはどちらを設定すればよいですか?

AはIPv4、AAAAはIPv6の接続先を示します。どちらを設定するかは実際に利用するホスティングサービスがIPv4・IPv6のどの接続を提供しているかで決まります。双方に対応する場合は両方を持つこともあります。

Q.CNAMEにIPアドレスを指定できますか?

いいえ。CNAMEが指すのは別のDNS名です。IPv4を指定する場合はA、IPv6を指定する場合はAAAAが該当します。外部サービスがCNAMEを指定している場合は、そのサービスが案内する正式なホスト名を確認してください。

Q.CNAMEを使うとブラウザのURLも変わりますか?

通常、CNAME自体はブラウザのアドレスバーのURLを変更しません。名前解決で別名を参照するための情報です。URLを転送したい場合はHTTPリダイレクトなど別の仕組みが必要です。

Q.MXレコードの優先度は数字が小さい方が高いですか?

はい。RFC 5321では、MXレコードの優先度は数値が低いものほど優先されます。例えば10と20があれば10が優先です。実際の配送順序や再試行にはメール送信側の動作も関係します。

Q.MXレコードだけあれば独自ドメインのメールを使えますか?

MXはメールの受信先を示す重要な情報ですが、実際にメールを受信するサーバーの稼働、送信設定、認証用のTXTなど別の設定が必要な場合があります。MXの登録だけでメールサービス全体が完成するわけではありません。

Q.TXTレコードはSPF専用ですか?

いいえ。TXTは汎用的な文字列を保存するレコードです。SPF以外にもDKIM・DMARC・ドメイン所有確認などで利用されます。用途によってレコードの名前と値が異なります。

Q.「@」はDNSレコードの種類ですか?

いいえ。「@」は一部のDNS管理画面やゾーンファイルで、管理対象のゾーンの頂点を表す記法です。AやMXといった種類を示すものではありません。事業者によって入力方法が異なるため、正式な案内を確認してください。

Q.TTLは何を意味しますか?

Time To Liveの略で、DNSの回答をキャッシュとして再利用できる時間に関係する値です。一般に秒単位で表されます。DNS変更が全利用者へ必ず指定秒数以内に反映されるという保証ではありません。

Q.ドメインのAレコードを変えるとメールも変わりますか?

必ずしもそうではありません。Web用のAレコードと、メール受信先を示すMXは役割が異なります。ただしMXが指すメールホスト名のAやAAAAを変更すればメール配送に影響する場合があります。どの名前がどのサービスで利用されるかを確認してください。

Q.DNSレコードの設定を具体的に変更する方法は?

本記事はレコードの種類と役割を理解するための比較記事です。実際の追加・変更・削除はDNS事業者ごとに操作画面と入力条件が異なります。契約先の公式手順に従い、変更対象と影響範囲を確認して進めてください。

まとめ:レコードの種類で「何の情報か」を判断する

DNSレコードは用途ごとに種類が分かれます。AはIPv4、AAAAはIPv6、CNAMEは別名、MXはメール受信先、TXTは文字列による確認・認証などを担当します。名前・種類・値・TTLを合わせて読むと、DNS管理画面の情報を整理しやすくなります。

実際の設定例では、同じ www の名前へAとAAAAを登録できますが、CNAMEと一般の他レコードは同じ名前で併置できません。MXの優先度は小さい数値ほど優先され、TXTは複数の用途に使われます。これらの違いを押さえれば、Webサイト、独自ドメインメール、外部サービスの設定内容を理解する際に役立ちます。

DNSがドメイン名から接続先を見つける仕組みを復習したい方はDNSとは?名前解決の全体像をご覧ください。エンリンクでは、機能一覧でドメイン管理会社や管理画面URLの整理、ドメイン登録期限などの情報確認を案内しています。料金プランを確認のうえ、無料登録からサイト管理を始められます。

参考にした公式資料

この記事の種類・値・用途に関する説明は、次の標準仕様とサービス公式文書を確認しています(確認日:2026年10月26日)。本文の設定例は説明用の架空値であり、特定事業者が指定する本番用設定ではありません。

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